第22回(令和1年)問題32
問題32 薬剤に関する次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 パーキンソン病の治療薬であるドーパミン製剤は、服用を中止すると、高熱、意識障害、著しい筋固縮などを呈する悪性症候群を生じる恐れがある。
2 高齢者は腎機能が低下しているため、薬の副作用が減弱することが多い。
3 胃ろうから薬剤を注入する際には、それぞれの薬剤について、錠剤について、錠剤を粉砕したり、微温湯で溶解させたりしてよいか、確認する必要がある。
4 口腔内で溶けるOD(Oral Disintegrant)錠は、口腔粘膜からそのまま吸収される薬剤である。
5 症状が消失すると内服を自己判断でやめてしまう場合があるため、内服状況を確認する必要がある。
回答
1 3 5
解説
1 パーキンソン病の治療薬であるドーパミン製剤は、服用を中止すると、高熱、意識障害、著しい筋固縮などを呈する悪性症候群を生じる恐れがある。
→○
設問の通りである。
2 高齢者は腎機能が低下しているため、薬の副作用が減弱することが多い。
→✖️
生理、生体機能が低下しているため副作用が強く出ることがある。
3 胃ろうから薬剤を注入する際には、それぞれの薬剤について、錠剤について、錠剤を粉砕したり、微温湯で溶解させたりしてよいか、確認する必要がある。
→○
設問の通りである。
4 口腔内で溶けるOD(Oral Disintegrant)錠は、口腔粘膜からそのまま吸収される薬剤である。
→✖️
OD錠は水に溶けやすいだけで口腔粘液から吸収されるわけではない。
5 症状が消失すると内服を自己判断でやめてしまう場合があるため、内服状況を確認する必要がある。
→○
設問の通りである。
第22回(令和1年)問題31
問題31 検査について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 ヘモグロビンA1cの値は、過去1~2か月の血糖レベルを反映している。
2 大動脈疾患や信仰した動脈硬化の場合は、左右の上肢で血圧に差がみられることがある。
3 ノロウイルス感染症では、下痢などの症状がなくなれば、感染力もなくなる。
4 CRP(C反応性たんぱく質)は、感染症以外に、悪性腫瘍や膠原病でも高値になる。
5 24時間心電図(ホルター心電図)検査な、医療者による継続的な観察が必要な観察が必要なため、入院して実施しなければならない。
回答
1 2 4
解説
1 ヘモグロビンA1cの値は、過去1~2か月の血糖レベルを反映している。
→○
設問の通りである。
2 大動脈疾患や信仰した動脈硬化の場合は、左右の上肢で血圧に差がみられることがある。
→○
片麻痺の場合も左右差がある。
3 ノロウイルス感染症では、下痢などの症状がなくなれば、感染力もなくなる。
→✖️
便には菌が混じっている可能性あり。
4 CRP(C反応性たんぱく質)は、感染症以外に、悪性腫瘍や膠原病でも高値になる。
→○
感染症や癌等の指標を示す。
5 24時間心電図(ホルター心電図)検査な、医療者による継続的な観察が必要な観察が必要なため、入院して実施しなければならない。
→✖️
入院しなくても可能である。
第22回(令和1年)問題30
問題30 次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 喫煙は、脂質異常症、高血圧症とともに虚血性心疾患のリスクファクターである。
2 健康日本21(第二次)では、健康寿命の延伸だけでなく、健康格差の縮小も目標に掲げている。
3 老年期うつ病では、対人関係で攻撃性が増すため、自死を図ることは稀である。
4 老年発症型のアルコール依存症では、家族歴や遺伝的要因を有することが多い。
5 老年期発症型のアルコール依存症では、離脱症状が遷延しやすい。
回答
1 2 5
解説
1 喫煙は、脂質異常症、高血圧症とともに虚血性心疾患のリスクファクターである。
→○
2 健康日本21(第二次)では、健康寿命の延伸だけでなく、健康格差の縮小も目標に掲げている。
→○
設問の通りである。
3 老年期うつ病では、対人関係で攻撃性が増すため、自死を図ることは稀である。
→✖️
高齢者のうつ病の特徴に自殺を図ることも含まれる。
4 老年発症型のアルコール依存症では、家族歴や遺伝的要因を有することが多い。
→✖️
身体的老化や喪失体験や社会孤立等による環境変化によって生じやすい。
5 老年期発症型のアルコール依存症では、離脱症状が遷延しやすい。
→○
設問の通りである。
第22回(令和1年)問題29
問題29 皮膚疾患について、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 薬疹は、長期間服用している薬剤により生じることはない。
2 寝たきりで関節拘縮のある場合には、特定の部位に圧力が集中して褥瘡が生じやすいので、体圧分散寝具を使用するのがよい。
3 皮脂欠乏症では、患部を清潔に保つことが、悪化予防になることから、ナイロンタオルを使ってよく洗う。
4 白癬は家庭内で感染することはまれであるため、爪切りやスリッパなどは共有しても差し支えない。
5 脂漏性湿疹では、患部を清潔に保つほか、抗真菌薬などを使用する。
回答
2 5
解説
1 薬疹は、長期間服用している薬剤により生じることはない。
→✖️
薬疹とは服用している薬によって生じるアレルギーであり、長期間服用している薬剤によっても生じる。
2 寝たきりで関節拘縮のある場合には、特定の部位に圧力が集中して褥瘡が生じやすいので、体圧分散寝具を使用するのがよい。
→○
設問の通りである。
3 皮脂欠乏症では、患部を清潔に保つことが、悪化予防になることから、ナイロンタオルを使ってよく洗う。
→✖️
皮脂欠乏症ではこすり過ぎないため、石鹸や泡についた手で軽くこする。
4 白癬は家庭内で感染することはまれであるため、爪切りやスリッパなどは共有しても差し支えない。
→✖️
共有すると感染が広がる可能性がある為、共有しない方がよい。
5 脂漏性湿疹では、患部を清潔に保つほか、抗真菌薬などを使用する。
→○
設問の通りである。
第22回(令和1年)問題28
問題28 認知症について適切なものはどれか。2つ選べ。
1 中核症状には、記憶障害、見当識障害などがある。
2 BPSD(認知症の行動・心理症状)の悪化要因として最も多いのは、家族の不適切な対応である。
3 認知症患者の精神科病院への措置入院は、精神保健指定医ではない主治の医師による診断のみでも、緊急時においては可能である。
4 若年性認知症患者が入院による精神医療を必要とする場合には、自立支援医療の対象となる。
5 認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族を複数の専門職が訪問し、アセスメント、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行う。
回答
1 5
解説
1 中核症状には、記憶障害、見当識障害などがある。
→○
2 BPSD(認知症の行動・心理症状)の悪化要因として最も多いのは、家族の不適切な対応である。
→✖️
最も多いのは薬剤による影響である。
3 認知症患者の精神科病院への措置入院は、精神保健指定医ではない主治の医師による診断のみでも、緊急時においては可能である。
→✖️
原則二人の精神保健指定医の診察によって必要がある場合、都道府県知事によって措置入院が行われる。緊急時は一人の精神保健指定医でも可能であるが入院時間は72時間以内。
4 若年性認知症患者が入院による精神医療を必要とする場合には、自立支援医療の対象となる。
→✖️
入院では対象にならず、通院であれば対象になる。
5 認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族を複数の専門職が訪問し、アセスメント、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行う。
→○
設問の通りである。
第22回(令和1年)問題27
問題27 高齢者のてんかんについて、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 初回発作後の再発率は、低い。
2 発作の間は、誤嚥を予防するための対応をする。
3 意識障害、しびれ、発汗、けいれんなど多様な症状を呈する。
4 最も多い原因は、脳腫瘍である。
5 治療は、放射線療法により行う。
回答
2 3
解説
1 初回発作後の再発率は、低い。
→✖️
高齢者のてんかんは再発率は高くなる。
2 発作の間は、誤嚥を予防するための対応をする。
→○
設問の通りである。
3 意識障害、しびれ、発汗、けいれんなど多様な症状を呈する。
→○
設問の通りである。
4 最も多い原因は、脳腫瘍である。
→✖️
最も多いののは脳血管障害である。
5 治療は、放射線療法により行う。
→✖️
抗てんかん薬での服薬治療を行う。
第22回(令和1年)問題26
問題26 高齢者に多い症状・疾患について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 加齢黄斑変性症では、進行すると視力が失われる恐れがある。
2 高齢者のめまいは、内耳の障害のほか、血圧のコントロール不良、脳腫瘍などが原因となることがある。
3 高齢者の難聴では、感音性難聴が多い。
4 心房細動では、心内で形成された血栓による脳梗塞は発症しない。
5 服用する薬剤数が多くても、副作用のリスクは増大しない。
回答
1 2 3
解説
1 加齢黄斑変性症では、進行すると視力が失われる恐れがある。
→○
加齢黄斑変性症とは加齢により網膜の中心の黄色の部分が萎縮、変性する疾患であり、最初は視野の中心に歪みが生じて徐々に中心暗転、視力低下となる。
2 高齢者のめまいは、内耳の障害のほか、血圧のコントロール不良、脳腫瘍などが原因となることがある。
→○
設問の通りである。
3 高齢者の難聴では、感音性難聴が多い。
→○
音を感じる部分に障害が生じるのが感音性難聴であり、高齢者に多く見られる。
4 心房細動では、心内で形成された血栓による脳梗塞は発症しない。
→✖️
心房細動では心房が規則正しく収縮できず左心房に血栓が生じやすくなり、これが剥がれ血液に流され脳内の血管で詰まると脳梗塞が発症する。
5 服用する薬剤数が多くても、副作用のリスクは増大しない。
→✖️
服薬数が多くても副作用のリスクは増える。